さつきつつじ会だよりNO.178号発行-さつきつつじ会第19回総会報告

 2018年6月27日さつきつつじ会だより№178を発行しました。今号は6月20日に行ったさつきつつじ会第19回総会の報告の特集です。

 『会員の皆さんにとって生活の張り、気持ちの支えとなるようなさつきつつじ会として今後もあり続けます』

 6月20日(水)さつきつつじ会でさつきつつじ会第19回総会を開催しました。前々日の地震では会員の皆さんに被害はありませんでした。地震の後は大雨です。悪天候の中を皆さん、定刻に集まってくれました。出席者は10名です。

 総会は青山さんの司会で始まりました。最初に森口が開会のあいさつを行いました。「さつきつつじ会が発足したのは1998年4月25日です。それから丸20年です。さつきつつじ会も会員の皆さんも年輪を重ねてきました。20年の歴史を振り返ると感慨深いものがあります」。

 森口が議案の提案を行いました。組織現状の報告では昨年総会以降、中川が亡くなりました。現在の正会員は高齢障がい当事者会員9名、スタッフ会員4名、賛助会員は6名と報告されました。当事者会員の平均年齢は80歳を超えました。2018年度の活動方針に関してジョイフルさつきは就労継続支援B型事業がジョイフルさつき全体の基盤になるように一層の前進をはかっていきます。さつきつつじ会は活動の柱として親睦活動と亡くなった方々の追悼の2つに加え人生の聞き取りにも取り組んでいきます。また、生活保護基準の引き下げに反対し、人権侵害に対しては抗議していきます。生活保護費の引き下げによって貯金は難しくなりました。資産申告書提出の意味は失われました。お断りの取り組みを進めていきます。そして、2017年度会計報告がありました。

 当面の予定も決めました。中川明美の一周忌法要は7月29日(日)、お盆の法事は8月10日(金)。カラオケ同好会は9月12日(水)。秋の遠足は11月中旬にさつきつつじ会と作業所えんの合同で計画します。
 続いて青山さんが新しい役員案として代表:森口芳樹を提案しました。
 議案はすべて異議なく了承されました。

さつきつつじ会の2018年度の活動の柱と当面の予定

<2018年度の活動の柱>

①1年前の5月6日宮原猛信さん、5月31日奥野美喜男さんが相次いで亡くなられました。お二人ともさつきつつじ会結成当時からの会員です。宮原さんは4月初めに胆のうガンの全身転移がわかり、それから1カ月後の訃報でした。宮原さんは義理堅い人でした。奥野さんは骨髄炎による敗血症でした。最後の2年間は苛烈な闘病生活でした。誤嚥性肺炎、閉塞性動脈硬化症による右足の壊疽と切断、骨髄炎-次から次へと襲ってくる試練に対してすごい生命力で立ち向かわれました。奥野さんは人から受けた恩義は忘れず、さつきつつじ会との関係は大事にされていました。

 そして8月4日森口の連れ合いの中川明美が亡くなりました。胃ガンの手術後の出血性ショックでした。満60歳。あまりにも早い人生の終わりでした。中川は裏表のない、思ったことをはっきり言う性格でした。職員が仕事をしやすいように人一倍気を使ってくれました。ジョイフルさつきの介護の質をくり返し問うてくれました。

 現在、さつきつつじ会で追悼している方は41人です。亡くなった方々の思い出を大切に今年も歩んでいきます。

②昨年5月のジョイフルさつき総会で訪問介護事業を縮小し、就労継続支援B型事業を軸に高齢者障がい者の支援事業に取り組んでいくことを決めました。

 就労継続支援B型事業のジョイフルさつき作業所えんは丸5年になります。順調に進んでいます。現在のメンバーはさつきつつじ会の会員を中心に19人です。毎日約12人の方が通われ熱心に作業をされています。封筒づくり、革細工、内職(塩ビプレートの穴取りなど)です。作業所を皆さんの居場所、生きがいの場所として盛り立てていきます。

 この1年かけて就労継続支援B型事業がジョイフルさつき全体の基盤になるように一層の前進をはかります。

 また、成年後見(任意後見)事業にも引き続き取り組んでいきます。

③さつきつつじ会の当事者会員の年齢層は69歳から88歳です。平均年齢は80歳を超えました。会員の皆さんにとっては病気と付き合いながら毎日毎日の生活を営んでいくことが一番の課題です。さつきつつじ会は今年度も「自分らしい・その人らしい生活づくり」をめざして変わらず進んでいきます。活動の柱は、1.親睦活動(お出かけやカラオケなど)、2.亡くなった方々の追悼の2つです。

 これに加えて会員の皆さんの人生の聞き取りにも取り組んでいきたいと思います。さつきつつじ会は3年前から東京山谷で野宿者支援の活動をする隅田川医療相談会と交流してきました。隅田川医療相談会はこのたびおっちゃんの人生の聞き取りをまとめた『あじいる』という小冊子を発行しました。おっちゃんが人生を必死に生きてきた歩みが描かれています。良い冊子です。人生の聞き取りはさつきつつじ会にとっても大事な課題だと思います。人生の聞き取りをきっかけに自分の人生を振り返っていくことができればすごく良いことだと思います。もちろんプライバシーに関わることなので知られたくないという人もいるでしょう。個人個人の自由です。ぼちぼち始めていこうと思います。

④生活保護基準の引き下げに反対し、人権侵害に抗議します。

▼今年10月からまたもや生活保護費の引き下げが行われます。75歳の単身高齢者だと7万5000円から7万1000円に4000円も下げられます。厚生労働省は生活保護利用者の意見を一切聞くことなく一番低所得の層に合わせて無理やり引き下げを決めました。大変乱暴なやり方です。

 釜ヶ崎の単身高齢者にも非常に大きな影響を与えます。貯金ができなくなります。外出を控え引きこもる人が出てきます。有料老人ホームの人は特に深刻な影響を受けます。

 生活保護基準の引き下げは、生活保護法第3条で規定された「健康で文化的な生活」を破壊していくものです。釜ヶ崎-西成からも抗議の声をあげていきましょう。

▼前回2013年の生活扶助基準の引き下げに対し全国で違憲訴訟が闘われています。「いのちのとりで裁判全国アクション」の取り組みに注目しましょう。

▼今回の生活保護基準引き下げ問題について多くの生活保護利用者の皆さんは知りません。皆さんにこの不当性を知らせていき、皆さんが「おかしいやないか」と声をあげていってほしいです。

 西成区保健福祉センターに対しても『西成生保だより』できちんと知らせるように求めていきたいと思います。

▼今回の生活保護基準の引き下げによって貯金することは困難になりました。これ以上増えることはありません。すでに2015年度から3年間の資産申告書提出によって西成区保健福祉センターは生活保護利用者の資産状況を把握しています。資産申告書提出の意味は失われました。生活保護利用者に対して通帳というプライバシーを明らかにさせて屈辱感を与える意味しかありません。やめるべきです。

 さつきつつじ会・ジョイフルさつきは資産申告書提出お断りの取り組みを進めていきます。昨年は4人の方が資産申告書提出を断りましたが、西成区保健福祉センターから指導指示の動きはありません。

▼歴史的な米朝首脳会談をきっかけに北東アジアの情勢が大きく変動しようとしています。朝鮮半島から核戦争の脅威をなくしていく好機が訪れました。

 昨年7月7日、「核兵器禁止条約」が国連加盟国の6割を超える122カ国の賛成で採択されました。核廃絶に向けた歴史的な一歩が記されました。核兵器は「都市全体を燃やし尽くし、地球上の生命を破壊し、この美しい世界を将来世代が暮らしていけないものにするもの」(サーロー節子さん)です。ヒロシマとナガサキの惨禍、核実験場とされたビキニなどの南太平洋の島々の人々の現実がそれを示しています。核兵器は必要悪ではなく絶対悪です。人類とは共存できません。「核抑止論」は誤りです。核戦争の脅威に対しては反対の声をあげていきましょう。